哀しみの最初の反応はペットが亡くなった事を否定する事から始まります。精神的なショックが強すぎて、感情を整理することができず、事実を否定することで、自分の精神を守ろうとします。
これは自然にわきあがってくる感覚であり、正常な防御システムなのです。最愛のペットの死を正面から受け止めることはとても難しいことですが、死を受け入れ、さらに死を許すことが最後にできる愛情なのかもしれません。
それができたときにはじめて「意味ある死」となるのではないでしょうか。悲しくなったら泣いて、哀しみの感情を表に出すことが必要です。泣くことによって心のカタルシス(浄化作用)を感じられることができます。
具体的な手助けとして
・いっぱい泣いて悲しみを表すこと
・パートナーをちゃんと供養してあげること(葬儀・供養など)
・思い出してあげて語り掛けること
その次に原因探しが始まります。
「何でいなくなった?どうして死んだの?」
「早く帰れたのに、ほおっておいた」
「もっと早く気付いてあげられたら」といった自責の念に悩まされます。
原因探しは哀しみを深く感じる過程としてある程度はいいかもしれませんが、結果的には原因は突き止められませんので、途中であきらめることが必要です。
精神的なショックが落ち着いてくると、喪失感と共に「死」を冷静に認識しようとする時期が訪れます。一緒に過ごし楽しかった時間や懐かしい思い出を回想し、悲しみが込み上げてくる段階です。
この時期にもやはり涙を流し、自分の気持ちを素直に表現することが大切となります。日本には「無常」という言葉があります。この世の全てが常に流動し、変化しないものはない。人の感情も変化していきます。
現状を少しずつ受け入れていければ、徐々に悲しみから開放され、ペットのいない生活に順応してゆく自分が理解できるようになります。
具体的な手助けとして
・家族や友人に思い出や悲しみを語ること
・思い出を綴ること(アルバムや手紙、日記やHP掲示板などへ)
・同じ悲しみを体験した人の話を見聞きすること
やがてペットと過ごした楽しかった思い出や癒された時間を思い出し、「一緒に過ごしてくれてありがとう」と感謝の気持ちへと変わっていく時期がやってきます。
それに伴って徐々に心も癒されてゆきます。自分の人生が終わったわけではないというポジティブな気持ちとなり、空間的にも精神的にもペットのいない生活を肯定できるようになり新しい生活を再構築していくことができるようになります。
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