〜天国に続く道の少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる人と愛しあっていた動物たちは、死を迎えると虹の橋へと向かいます。〜
夜明け前。まだ暗いうちから、虹の橋鉄道始発駅の「地上駅」は人や動物たちで混雑していました。
犬や猫、ウサギたち、他にハムスター、フェレットなどの小動物たちも次々と列車に乗り込みます。
「まもなく虹の橋駅行き列車が出発いたします。お乗りの方はお急ぎ下さい!」
ウサギの駅長さんがホームで叫んでいます。
列車の中では、小さなハムスターの車掌さんが注意を呼びかけます。
「この列車は2両編成となっております。1両目は虹の橋を渡る方々の専用列車となっております。2両目の車両はお墓参りや、新しくお墓を作る方々の車両です。
地上駅への帰りは2両目の列車のみ運行いたします。お間違いないようにお乗り下さい」
1両目の列車は1度しか乗れない列車だから、乗り遅れたら大変です。
「駅長さ〜ん!待って下さい。この子を乗せて行って下さい。」
見ると、灰色のかわいい子猫です。お母さん猫が子猫をデッキに乗せて見送ります。
他に年老いた犬のアフガン・ハウンドや片足のないライオンラビットなどが、駅員の助けを借りて乗り込みました。
1両目では、虹の橋の絵が描かれた切符が渡されます。
この車両はお友達や夫婦のカップルはいなくて皆一人です。
顔色の悪い病人やけがをしたペットたちが、不安そうな顔して乗っています。
一方、2両目の列車には家族連れなど元気な人や動物たちでごった返しています。
中にはお弁当を広げるものもいて賑やかです。
「ピィー!」という駅長さんの笛を合図に列車は動き出しました。

|